LINEAイノベーション、国のフュージョン発電実証事業に条件付採択

〜2030年代の発電実証をめざし、正式採択に向けた対応を進めます〜

FRC/ミラー複合方式による核融合発電の実現を目指す株式会社LINEAイノベーション(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:野尻悠太、以下「当社」)は、経済産業省 資源エネルギー庁「令和7年度補正 フュージョンエネルギー発電実証推進事業補助金」において、当社が提案した事業「ビーム支援FRCによる非熱的・マルチ燃料型フュージョン発電実証基盤の開発」が条件付採択となりましたので、お知らせいたします。

条件付採択とは、採択条件が通知された段階を指します。正式な採択および交付決定は、条件への対応が採択審査委員会で確認された後に決定されます。当社は現在、その対応を進めております。正式な採択を経て、p-11B(軽水素・ホウ素11)反応による発電の実現に向けた基盤技術の開発に取り組んでまいります。

本件の概要

  • 補助金名:令和7年度補正 フュージョンエネルギー発電実証推進事業補助金(経済産業省 資源エネルギー庁)
  • 事業名:ビーム支援FRCによる非熱的・マルチ燃料型フュージョン発電実証基盤の開発
  • 条件付採択事業者:株式会社LINEAイノベーション

※本補助金は、一般社団法人低炭素投資促進機構が「補助事業者」として国から交付を受け、同機構が公募で選定した企業等に補助を行う仕組みです。当社は、その交付先である「間接補助事業者」となるべく、交付決定に向けた手続きを進めております。

 

本補助金は、「エネルギー基本計画」および「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を踏まえ、フュージョンエネルギー(核融合)による2030年代の発電実証を目指すスタートアップ等の技術開発を支援するものです。世界に先駆けた実証の実現に向けて、さまざまな方式への挑戦を促すことを目的としています。

今回の採択の意味

軽水素(陽子)とホウ素11によるp-11B反応、いわゆる先進燃料核融合は、三重水素(トリチウム)を燃料に用いず、わずかにしか中性子が発生しない一方、核融合反応を成立させるために高いエネルギーの粒子が必要となるなど、技術的な難易度の高い方式です。このため、現在開発の主流となっている重水素・三重水素(D-T)反応と比べ、実験的な検証例は限られています。

今回、当社が提案したビームを活用した非熱的アプローチによる発電実証基盤の開発が、さまざまな方式への挑戦を促すという本補助金の趣旨のもと、条件付採択となりました。

正式な採択となった後は、今後計画している実験装置に必要となる中核技術の開発と検証に着手してまいります。

当社の技術的特徴

当社は、「FRC(磁場反転配位)/ミラー複合方式」と、ビームを活用した非熱的な核融合反応の実現を組み合わせた独自のアプローチで開発を進めています。

FRCは、プラズマ自身がつくる磁場によって高いプラズマ圧力を保持できることを特徴とする磁場閉じ込め方式です。当社では、FRCを核融合反応の中心領域として利用するとともに、その両端に接続するミラー磁場および開放磁力線領域を活用し、将来的な粒子・熱の排出や直接エネルギー変換までを含む発電システムの構築を目指しています。

また、プラズマ全体を一様に極めて高温な状態にするのではなく、ビームによって核融合反応に適した高エネルギー粒子を形成する「非熱的」なアプローチを採用しています。これにより、p-11B反応の実現に必要となる条件を、従来とは異なる方法で達成することを目指します。

p-11B反応は、放射性物質である三重水素(トリチウム)を燃料として必要とせず、核融合反応に伴う中性子の発生もわずかです。この特徴を生かすことで、将来的には中性子による材料の放射化や損傷を低減し、より簡素な発電システムにつなげることを目指しています。 

今後の展開

本事業を通じて開発・検証する中核技術を、今後計画しているより大規模な統合実験装置へと発展させ、2030年代の発電実証につなげていくことを目指します。

また、実験装置や関連技術の開発を国内の企業・大学・研究機関と連携して進めることで、日本におけるフュージョンエネルギー産業および研究開発基盤の拡大にも貢献してまいります。 

コメント

代表取締役CEO 野尻悠太

このたびの条件付採択は大変光栄であり、同時に責任の重さも感じております。私たちが挑む軽水素とホウ素による核融合は決して容易ではありませんが、実現すれば、世界のエネルギー問題の解決につながる、これまでにない電源を社会に届けることができます。まずは採択条件の一つひとつに丁寧に対応し、正式な採択につなげたうえで、2030年代の発電実証に向けた確かな一歩を踏み出してまいります。

用語解説

  • p-11B反応:軽水素(陽子)とホウ素11による核融合反応。三重水素(トリチウム)を燃料に用いず、主反応では中性子を発生しないことを特徴とする。
  • FRC(磁場反転配位/Field Reversed Configuration):プラズマ自身が流す電流がつくる閉じた磁力線によって、自らを保持する配位。
  • 非熱的核融合:プラズマ全体を熱平衡のまま高温にするのではなく、熱的な粒子の集団に少数の高エネルギー粒子を重ねて反応を起こす考え方。

株式会社LINEAイノベーションについて

  • 会社名:株式会社LINEAイノベーション(LINEA Innovations, Inc.)
  • 所在地:東京都千代田区神田小川町1丁目10番地2 VORT神田小川町II 501
  • 代表者:野尻悠太
  • 設立:2023年9月29日
  • 事業内容:FRC/ミラー複合方式による商用核融合炉の研究開発
  • URL:https://linea-innovations.com/

本件に関するお問い合わせ

株式会社LINEAイノベーション 広報担当
Email:pr@linea-innovations.com

取材のお申し込みは上記メールにて承ります。